戦跡「太刀洗飛行場」：福岡県朝倉郡筑前町
Battle site "Tachiarai Airfield"
戦跡「太刀洗飛行場」：福岡県朝倉郡筑前町
太刀洗に行くには、福岡県JR博多駅からJR基山駅、そこから甘木鉄道に乗り換え、太刀洗駅で降りると駅前に太刀洗平和祈念館があり、かつての広大な飛行場跡に戦跡が点在する。
この地は旧陸軍が東洋一を誇った太刀洗飛行場を中心とする一大軍部都として栄え、歴史的な役割を果たし発展したが、1945年3月、米軍の空襲で壊滅的な被害を受けた。
また、特攻隊の中継基地として多くの若き特攻隊員を見送った場所である。
そして、今も点在する戦跡は戦争の傷跡を伝え、「平和の情報発信基地として」越前町立太刀洗平和記念館が平和へのメッセージを発信している。
大刀洗陸軍飛行場 -
Wikipedia
To
go to Tachiarai, take JR Hakata Station in Fukuoka Prefecture to JR Kiyama
Station, then change to the Amagi Railway and get off at Tachiarai Station.
The
Tachiarai Peace Memorial Hall is located in front of the station, and the ruins
of the former airfield are dotted with battlefields.
This
area prospered as a major military capital centered on the Tachiarai Airfield,
which was the largest airport in the East for the former army, and played a
historical role in its development.
In
March 1945, it was devastated by an air raid by the US military.
It
is also the place where many young kamikaze pilots were sent off as a relay
base for kamikaze corps.
The battlefields that still dot the area convey the scars of war, and the Echizen Municipal Tachiarai Peace Memorial Hall serves as a "base for disseminating information about peace," sending messages of peace.
※第5航空教育隊正門
昭和１４年（1939年）開隊した航空技術兵の学校「第5航空教育隊」の正門。西部第百部隊と言われ、最大時には6000人の航空技術兵が在籍。飛行機解体・期間発動機・板金などの教育機関。平成22年1月に平和祈念館前に移設された。
※憲兵分遣隊舎の煉瓦塀
大正8年（1919年）12月に久留米憲兵隊太刀洗分遣隊として発足。飛行場や周辺の治安を担当。現在も敷地内に隊長官舎や厩舎跡が残っている（私有地）
※飛行第四戦隊営門
大正8年（1919年）太刀洗飛行場にて開隊した「第四飛行戦隊」の営門。戦隊が、熊本県菊池へ移動した後、昭和15年（1940年）に開校した太刀洗飛行学校・本校の正門として使われた。
※時計台跡と西日本航空発祥記念碑
飛行第四戦隊の本部庁舎に時計塔として設置されていたもので、戦後慰霊碑に改修された。太刀洗は西日本民間航空発祥の地でもあり、昭和4年から7年間、日本航空輸送㈱が郵便・貨物輸送を行っていた
※監的壕
太刀洗飛行場の南側にあった池のほとりに設置されていた建物で、軍用機による射撃訓練時の観測用として使われた。射撃訓練の際、戦闘機や練習機の着弾をこの中に入った観測員が双眼鏡で確認していた。戦後、移動されたもの。
飛行隊井戸
飛行第四戦隊が使用、その後、飛行学校の本校生徒隊や分校操縦訓練性などが使用した大井戸。直径が6.5mあり、炊事・洗濯・風呂など隊員の営内生活に使用された。（私有地）
※甘木鉄道太刀洗駅（旧国鉄甘木線）
現在は甘木鉄道太刀洗駅として利用されているが、戦前、甘木線は様々な軍事物資の輸送に使われ多くの太刀洗飛行場の関係者が乗降した。1日の乗降者は2万人ともいわれ、戦地に向かう兵士と家族の別れの駅ともなった。
※説明文：太刀洗飛行場戦跡マップより
「太刀洗平和記念館」
記念館では、空襲により飛行場とその周辺の施設群は壊滅的な被害を受け、多くの人々の命が奪われた事、特別攻撃隊員の事実・遺品等の展示をし、忘れてはならない戦争の悲劇を通して平和の大切さを考える施設になっている。
また、終戦直前の1945年8月3日に、6枚のプロペラを機体後部に付けるという斬新な航空技術を駆逐した旧日本海軍の戦闘機「震電（しんでん）九州飛行機」が、福岡県博多区の蓆田（むしろだ）飛行場から初飛行した。米軍B29爆撃機を遊撃するために開発されたが時既に遅く、終戦を迎え幻の戦闘機と呼ばれた。
試作機が3機製造され、2機は解体され、１機体はスミソニアン博物館に所蔵されている。
Tachiarai
Peace Memorial Hall
At
the memorial hall, the air raids devastated the airfield and its surrounding facilities
and many people lost their lives.
It
is a facility to think about the importance of peace through the tragedy of war
that should not be forgotten.
On
August 3, 1945, just before the end of the war, the first flight of the former
Imperial Japanese Navy's Shinden Kyushu Airplane, a fighter plane with six
propellers attached to the rear of the fuselage, took place in Fukuoka. Mushiroda
Airfield in Hakata, Japan.
It was developed to attack the US military B29 bomber, but it was already
too late, and it was called a phantom fighter after the end of the war.
Three
Shinden prototypes were built, two were dismantled, and one is in the
Smithsonian Institution.
A
1/1 scale model of the Shinden and the world's only surviving Zero Fighter Model
32 and Type 97 fighter aircraft are on display.
＜局地戦闘機「震電」＞
エンジンは「烈風」と同系列で離昇出力２１３０馬力の三菱製「ハ四三」四二型を胴体中央部に搭載。延長軸を介して胴体後端の６翅（ブレードが６枚）プロペラを駆動した。機体も骨組み構造ではなく、外板の強度で全体を支えるモノコック式を採用し、製造の簡素化と軽量化を狙った。エンジンは胴体に直接取り付けず、主翼から伸ばした桁の上に載せ、延長軸の振動やたわみを逃しやすい構造にした。最大速力が時速７４０キロを超え、武装は機首に３０ミリ機銃を４丁搭載し、一撃で大型爆撃機を撃墜できる火力を備えていた。
震電 - Wikipedia
三菱零式艦上戦闘機３２型 Y2-128の戦後史 Study of the Mitsubishi A6M3 Carrier Fighter REISEN (hikokikumo.net)
九七式戦闘機 - Wikipedia
「九七式戦闘機」=博多湾から引き揚げられた機体=
この機体は、1996年9月に博多湾の埋め立て工事現場で発見され、深度3mの海中より引き揚げられたものである。発見当時は長年の海没による損傷がひどく、大幅な修復が必要な状態だったが、当時の設計図を元にした復元作業が始まり、1997年に復元が終了すると、かつて同機を配備した旧日本陸軍 飛行第四戦隊が大刀洗飛行場を基地としていた関係から、同年8月より、太刀洗駅舎（レトロ駅）を改造した初代平和記念館で展示されたが、その後、現在の太刀洗平和祈念館に移され展示されている。