S21  Tour Sleng prison camp

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 私は1993年4月カンボジア総選挙の時、プノンペンでその存在を知った。当時は、まだ完全に整備されてなくポルポトの胸像も転がっていたり、雑然としていた。案内してくれた市民からはここは元高校だったと聞いたが定かではない。

 S21
は、クメール・ルージュ(カンボジア共産党)支配下のカンボジア(民主カンボジア)において設けられていた政治犯収容所の暗号名であり、稼働中は存在そのものが秘密であったため公式名称は無い。現在は地名を取ってトゥール・スレンと呼ばれており、国立のトゥール・スレン虐殺犯罪博物館となっている。
 29ヶ月の間に14,00020,000人が収容されたと言われ、そのうち生還できたのは8人。 197917日にベトナム軍はプノンペンを制圧したが、クメール・ルージュは全員撤退・逃亡した後だった。翌日、ベトナム人の従軍記者が異臭に気づき、この施設を発見した。A1階の尋問室でクメール・ルージュが撤退間際に殺害した14人の遺体があり、収容所全体では50人程度の遺体があった。また膨大な収容・処刑記録の文書があった。

 発見時のままに保存されている拷問室、1,000人ほどの収容者(一部は少年・少女)の写真、生還した画家が描いた拷問の様子など、現在のトゥール・スレン博物館の展示内容は開館時と余り変わっていない。但し、「骸骨で作ったカンボジア地図」は2004年に撤去された。
 2013年現在、入場料が2ドル。ガイド料が6ドル(ガイドは選択制で日本語ガイドは無し)。映画は10時と15時の2回放映される。


    
                拷問台にしたベッド:右は発見当時の写真

    
   壁に貼られた犠牲者の写真

      


      
                   床に転がるポルポトの胸像と右は拷問台


       
                       煉瓦で仕切られた独房


    

    犠牲者のドクロで表したカンボジア地図(現在は撤去されている)


      



 Toul Sleng Genocide Museum S21
  http://www.killingfieldsmuseum.com/s21-victims.html                    戦跡top










S21(トゥール・スレン収容所)1993.4

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